学校でのお勉強②

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こんにちは。BUTAchanのブログへようこそ。

今回も、前回に引き続き「学校でのお勉強②」を書こうと思います。

思いっきり自分の記憶だけで書いているので非常に曖昧な所も多々ありますが、もし深く知りたければ専門書なども売られているのでそちらからどうぞ。。。あくまで、「畜産系学校卒が養豚場に勤務したらこんなことを思った」くらいなニュアンスで読んでいただけたら幸いです。講義より実習の方が記憶に残っていましたね(だって実習の方が楽しかったんだもん)。

では、大学の講義の続きです。

 

 

【食品化学】

肉部門と乳部門に分けて、それぞれ加工品になるまでの過程などを学びました。

格付けのこと、と畜してから食肉になるまでの肉の変化の過程、ソーセージというくくりの中にウィンナーやフランクフルトがある、チーズ・ヨーグルトの歴史やら加工工程とか。

現場では、例えば筋肉注射をする時は「耳根部」に打ちますが、フリー(豚が豚房の中で動いている状態)で打つと狙いが外れることがあります。が、外れて肩の方にいくと「肩ロース」の部分に注射をうつことになり、場合によっては肉に損傷が残ることがあるため「耳根部」に打ちましょう、ということですかね。

肉の部位や、熟成過程なども知っておいた方が良いですし、何より、格付けに関しては養豚の生産部分ではゴールなので重要です。食肉加工も行っている場合はここの学問がメインですね。

 

【動物遺伝・育種学】

こちらも申し訳ないですが、記憶の彼方です。が、簡単に言うと「メンデルの法則」とかもっと難しい話とかですかね?

畜産は、育種の過程と言っても良いと思います。美味しい肉のかけ合わせ・たくさん産む母豚の体型・良い雄の体型などなど。

スーパーで買う豚肉は「三元豚」が多いと思いますが、この「三元豚」はブランド名ではありません。代表的なものは、母豚(大ヨークシャー×ランドレース)×雄豚(デュロック)の子供です。3つの品種がかけ合わさったものが「三元豚」です。大ヨークシャー、ランドレース、デュロックはそれぞれ豚の品種名で、それぞれの「強み」を混ぜた三元豚が最終的なお肉となります。

養豚場には、肉豚生産農場と、これらの種豚(母豚・雄豚)を生産する農場があり、種豚生産農場では、遺伝子レベルで交配の研究をしている、とも聞きます。私はこちらの部分に深く携わったことがないため、知識が薄いです。

 

【家畜繁殖学】

大体字を見ればわかりますが、繁殖に関わる講義です。例えば、豚の発情周期は21日で、卵巣の状態変化や体内のホルモン分泌がこう変化します、のような感じです。

現場では、もちろん日々種付けを業務として行っているので、発情を確認したりするのに必要な分野です。教科書通りに発情がくる豚もいれば、生き物なので例外もあります。例外に対応するために、知識は必要ですね。

 

【動物福祉論】

いわゆる「アニマルウェルフェア」です。動物園でこういう取り組みをしている、とか。

養豚場では、豚たちは広いところでのびのび暮らしているわけではないので、できるだけストレスをなくすように日々頭をひねっています。

 

【家畜行動・管理学】

家畜化の歴史(いつ頃から豚は飼っているの?とか)、家畜舎の仕組みとかを習いました。行動管理実習では、羊の行動をひたすらメモする、というシュールなものがありました(例:13:30~13:35 摂食 13:35-13:37 歩く 13:37-13:45 休息 等)楽しかったですよ。こういうのが苦にならない性格なのです。

現場でも、豚の行動を見て、その豚がどうなのかを判断することがたくさんあります。群が固まって寝ていたら寒い、とか皆が騒いでいたら何かトラブっているだとか。

 

【家畜栄養学】

人間の栄養学と大体同じなのかな?タンパク質だとか、ビタミンだとか。

栄養学実習で牛の糞の解析をする、ということで牛糞を煮る?詳細は忘れましたが、なかなかインパクトのある実習でした。これで何を調べたかというと、こういう飼料を食わせたらこれだけ消化されました、ということです。糞の成分から未消化の成分を調べたのですね。

養豚の中で、飼料は非常に大事なものです。数ある飼料メーカーの中から選び、さらにたくさん販売されているサプリメントなどを選んで、その農場でベストな飼料を作ります。候補豚・種豚・授乳期・前、中、後期ミルク・仔豚・肉豚用。豚のステージ(大きさ)によって飼料も違います。

 

【野生動物学】

好きな分野なのに、何を習ったか覚えていないという。。。不覚すぎる!!

絶滅危惧種だとか、外来危険生物だとかのことだったような。。。(涙)

動物園見学もこの授業だったかな?動物園・水族館大好きだったなぁ。

山の中にある養豚場では、野生動物もたくさんいます。もちろん、病気の関係で場内に入れてはいけませんが、何がいるかを知らないと防御もできませんよね。

足跡・糞・堀った跡など痕跡からイノシシなのか、タヌキなのか、アライグマなのかがわかります。

 

 

こんな感じでしょうか?

ところで、畜産系の学校を出て、畜産の職に就くと、しばしば頭でっかちの部分が目立つ場合があります。新人の立場からすると、「あ!これ知ってる。習った!」的な感じで発言してしまったりするのですが、先輩社員からすると「学校と現場は違うよ。。」と思うこともあります。特に畜産系の学校卒ではない先輩社員的にはちょっと「うーーん」となるかもしれません。

まぁ、大目に見てあげてください!数年たったら新人くんもわかります。非畜産系出身の方は、こんな勉強していたんだね~と思ってやってください。ただ何年たっても言動に進化のない新人くんには。。。厳しめに行きましょう(笑)

冒頭の画像は、AI(人工受精)のカテーテルです。前回、カテーテル型ボールペンの画像を載せたので、今回はホンモノです。

では、また。機会があれば読んでください!

              (続)