初心忘るべからず

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こんにちは。BUTAchanのブログへようこそ。

年が明けて今年は寅年ですね~。

今回のテーマは、「初心忘るべからず」です。

 

先日某サファリパークで事故がありました。

これは、相手がトラで大事故になったのですが、実は似たような事は養豚場でも起きています。

要は、「動物舎のカギを閉めたはずが、閉めていなかった/閉まってなかった/開いてしまった」ということですよね。某養豚場では割と、日常茶飯事くらいに起きています。古い畜舎なので、どちらかというと「破壊されて脱走する」パターンが多いのですが。。。

養豚場だと、相手はブタなので、脱走したブタに出会っても特に向かってくるなんてことはありません。むしろ逃げます。集団で脱走されると、何人か人を集めてからブタを戻さないと収拾つかないことが多いですね。

ただ、♂ブタはけっこう怖いです。興奮していると丸腰で近づくのはけっこう危険なのです。では、ブタのサイズ別に起こり得る「接触事故」をご紹介します。

 

【生まれたて~1ヶ月齢くらいまで】危険度★☆☆☆☆

ブタは1500g程度で生まれてきて、1ヶ月で7・8kgまで成長します。サイズ感は小型犬ですかね。このくらいは、まだ力も強くないので口の前に指があった時に反射的にガブっとするくらいです。ただ、口がまだ小さいため、犬歯が指に若干刺さるので、ちょっと痛いですが、全然たいしたことはありません。

 

【1ヶ月~4ヶ月齢くらいまで】危険度★★☆☆☆

お母さんブタと離れて、離乳舎・子豚舎で餌をたくさん食べて、4ヶ月で体重は平均60kgくらい、人間の大人くらいになります。このくらいだと、まだ鼻の力はたいして強くはないのですが、豚房の中で作業していると、みんな寄ってくるのです。寄ってくるブタたちは、可愛いです!が、ちょうどブタの目線にあるものにガブガブ噛みつくのです(ブタは遊んでいるのです)。ブタの目線にあるもの、それは我々の足です。しかもふくらはぎとか、モモとかやわらか~いところを狙ってくるため、痛いです。そして、アザになります。なので足はアザだらけです(笑)

 

【4ヶ月~6ヶ月齢くらいまで】危険度★★★★☆

いわゆる肥育豚で、体重は出荷する120kgくらいまでのブタです。力も強くなってきています。何が危ないかというと、ブタ的には(多分)何の気なしに人間の股の間を通り抜けようとするのですが、これが危ないのです。出荷間際だと、股の間を通られると足が浮いてこちらはバランスを崩してしまいます。しかもブタは走っていたりします。未経験の方には「股の間を通さないように!」は必ず教えることですね。

あとは、やはり豚房に入る時が危ないです。自分の感覚だと、10頭以上の群に入る時には何か武器を持って行かないと(板とか木の棒のことです)、たちまち囲まれてあちこちガブガブされてしまいます。痛いし、邪魔で作業ができません。。。250頭の群の中に入る時は、けっこう怖かったなぁ。

 

【母豚】危険度★★★☆☆

母豚は大体150~230kgくらいですかね?まだ成長途中から母豚として働くため、徐々に大きくなります。基本的に、母豚とは1対1でしか対峙しないので、そんなに危険な目には合わないのですが、油断は禁物。以前、母豚を移動していて気付いたら自分が床に転んでいました。記憶が飛んだのか、一瞬のことだったのか、たぶん鼻ですくわれたのですね。しかも下はコンクリートの床だったので、打ち所が悪ければ・・・と思うとぞっとします。油断大敵です。何しろ、体が大きいので、柵とブタの間に手や腕をはさまれたり、足を踏まれたりするとすぐにアザができます。

 

【雄豚】危険度★★★★★

犬でも猫でもそうですが、去勢をしていない雄は少々荒っぽかったりします。個体によりますが、人間にむかってくる雄豚も中にはいます。「雄に背中は向けない」は、鉄則ですね。つい、一瞬の油断で雄の牙にすくわれて大けがすることがちょくちょくあります。しかも、入院するくらい。

興奮している雄豚は泡をバクバク吹いています。この状態で丸腰で近づいてはいけません。板なり、棒なり装備が必要です。大体、違う雄に柵越しで出会うとお互い興奮してバクバクし始めます。まぁ、「闘志」も必要なのですよ。草食系男子だとお仕事にならないですから。

 

いかがでしたか?

ざっくりこんな感じですかね?何にせよ、「油断大敵」です。「初心忘るべからず」です。でも、豚側のルールを守れば、ブタは優しくて元気で愛らしい動物ですよ。

ここまで読んでくださってありがとうございます。今年もよろしくお願いします!

               (続)