養豚場の雨の一日
こんにちは。BUTAchanのブログへようこそ。
梅雨です。しかも大雨です。
というわけで、今回のテーマは『養豚場の雨の一日』です。
大体どこの養豚場も同じだと思いますが、1日の作業は、ルーティンワーク+その日の作業を行っていきます。
ルーティンワークは、餌くれ・糞の掃除・豚の見回りなどです。
その日の作業は、出荷・豚の移動・豚房の掃除や水洗・子豚の去勢・ワクチン接種などです。ちなみに私のいる農場は、曜日によって仕事が決まっています。
豚舎にはもちろん屋根はありますが、農場全体に屋根があるわけではないので、養豚は基本的には外仕事だと思っています。
雨で濡れます。
人も豚も。餌も。
小雨程度なら、気にしません。ちょっと湿るくらいなので。
ですが、大雨予報が出ていたり、台風が接近となると話は別です。
人は、雨合羽を着ます。上下セパレートのやつ。
新品は素晴らしく水を弾いてくれるのですが、1日(場合によっては半日)も着ると汚れるので、洗濯機で洗います。これを繰り返すと、だんだん水を弾かなくなってくるのですが(当たり前)、雨合羽は意外とお値段が高いので、大体限界まで着ることが多いです。
でも水を弾かなくなって、ただの上着となるまで着ることよりも、豚に嚙まれたり、どこかに引っかけてビリビリになることの方が多いかもしれません。
そして、一番のポイントはここ!
雨合羽を着て自転車に乗ったことがある方はわかると思います。
非常にムレるんです!動くと暑い!!
なので、「雨合羽を着る」かの判断は、「着ないと作業着がしぼれるくらいビショビショになる」かどうかでしています。(あくまで個人の判断です)
場合により、下(ズボン)だけ履くパターンもあります。
上だけ着ることは、あまりないです。何故なら、上着についた雨が下に流れていくため、下を着ていないとビショビショになるからです。
どちらにせよ、着ると自分の熱気で、着ないと雨で、結局全身濡れてしまうのですが。。。一日中濡れて仕事すると、もうぐったりです。疲れ倍増。大雨はイヤ。
大雨で影響を受けるのは、外を通る作業です。豚を移動(引っ越し)するのも豚が濡れてしまうし、餌くれだって餌が濡れてしまう。なので、相当な雨量との予報が出ていれば、可能な限り前倒しして作業するようにはしています。
豚は意外とビビりなので、雨の日は上から落ちてくる水滴を怖がって動きが悪くなります。豚動かない→時間かかる→豚も人もさらにびしょ濡れ。悪循環ですね~。
水たまりは逆にヌタ打ちします。豚的には楽しそう。
ただ水たまりに太陽が当たると反射して、キラキラするやつ。これもまた怖がりますね~。
(ヌタ打ちとは、猪などがダニノミなどを落とそうと泥を身体に擦りつける行動のことをいいます。左半身・右半身をそれぞれごろーんと水たまりにバターンとします)
そして、大雨の最大の敵は、お家のトラブルです。
大雨の影響で、豚舎の雨漏り。。。
電気系統のトラブル。よくあるけれど、困ります。
養豚場では、けっこう電気を使用しています。
自動に餌を送る装置(通称「餌ライン」)・大きな扇風機(ファン)・子豚のヒーター・飲み水のポンプ・照明 等々。
どれも生きるためには必要不可欠なものです。
夏にファンが回ってくれないと暑いし、子豚のヒーターがないと子豚は寒いけれど
餌ラインストップ = 餌 全部 手くれ !!
養豚場の規模にもよりますが、餌全部手くれはなかなか気が遠くなる作業です。
水 ストップ = 豚 水 飲めない !!
水も、農場によりますが、井戸が掘れるところは井戸水を使用しています。そして、これは水中ポンプで格豚舎に送っていることが多いため、電気が止まると水が止まることも多いです。予備電源があったり、人間用の上水道をバックアップとして使えるようにしている農場もたくさんあると思いますが、そうでない場合は、ひたすらペットボトルで水をあげたりしていました。地道。。。
電気は、雨が止んで、乾けば復旧することが多いです。
たま~にあるトラブルのない雨の日は、やらなくてはいけない作業を片付けたら、事務所でデスクワークをしたりします。いつも時間に追われて、後回しになるのがデスクワークなので、たまにこういう時間が取れるのはうれしいですね。
私は幸いにも洪水など大きな被害に合ったことはありません。
台風直撃や大震災などは絶対に人命優先なので、豚のことは後回しになります。豚には出来るだけのことをして、あとは落ち着いたらフォローします。
「備えあれば憂いなし」
大雨の後に改善点を直して、なるべく心配の種を減らしたいですね。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
また機会があればお願いします! (続)